リリアとトレイズV 私の王子様〈上〉

電撃文庫[し-8-20]。ISBN978-4-8402-3754-3。時雨沢恵一著、黒星紅白畫。本體510圓+税。今月の新刊。時雨沢さんはもう二十册の大臺に掛ってゐるんですね。卷末には讀切短篇「小生意気なガキ・超拡大版」收録。下卷[VI]は來月發賣豫定。

帶の文句が妙に意味深だけれど、實際そんなに重要なせりふではなかったりする。今回の冒頭のメグネタは今日の新しいベゼル語で、ボケるのはメグ自身ではない。IVの最後でほのめかされてゐたとほり、「河向こう」からやんごとなきあのお方がやって來る話。でもってアリソン母子は列車で旅行に出る。お約束だけど、列車では人死にが(ry。主要人物のなかで眞實を知らないのが主人公であるところのリリアだけだといふ點で、物語の構造がほんの少しだけハルヒに似てゐると思ふ。

ちなみにこの作品は台灣角川から支那語(繁體)の飜譯版が出てゐて「莉莉亞&特雷茲」といふ日本人でもなんとなく讀めてしまふわかりやすいタイトル。