「攜」と「携」の續き

平成十八年十一月二十四日の續き。
再見さん、度々コメント有り難うございます。康煕字典を參照したところ、「携」の項には字。とだけあり、「攜」の項に全ての情報が載ってゐます。http://www.comquest.co.jp/typography/tfdt/tfdt023.htmlのとほり「康煕字典體が正字である」とする前提の場合、「攜」が正字だといふことで良いのでせうか。ついでにほかの字は、「囘」はなく「回」のみあり、「氷」は「冰」が正しいといふことになってゐます。

巖饅さん、トラックバックありがたうございます。やはり白川靜博士ほど漢字に精通した方は居なかったでせう。字書三部作は屡々頼りにしてゐます。

きのふ引いた白川静「新訂 字統」(2004年)には正字は攜に作りとあるので惱んでゐたところです。この場合の『正字』の『旧字』との違ひは何なのか。「軽」であれば、旧字は輕に作りとなってゐます。同じくきのふ引いた大正-昭和の辭書では「攜」を正字としつつも項目が「携」だったことがら、日本では「携」が優勢だったことは解るのですが……。

もうひとつ惱んだ要素として、本家本元の支那での表記はどうなのかといふこと。

繁體字(≒正字)を使用してゐる台灣のGoogle先生で繁體字中文全體と台灣での檢索結果を見ると、それぞれ、「攜帶」がおよそ1,770,000-953,000、「携帶」が3,110,000-8,870と桁が違ってしまってゐます。