マンガ嫌日流(金城模)

金城模(キム・ソンモ)著、新藤祐樹譯、晋遊舎刊。以前に出た有学書林刊、佯病説(ヤン・ビョンソル)の「嫌日流」とは別物(兩者の關係については朝鮮|д゚)カンサツ日記 - マンガ嫌日流の作者のインタビューワロスwwwを參照のこと)。

畫力は慥かに山野車輪よりある氣がするけど、構成がかなり酷い。イデオロギーはともかくとして、小林よしのりの漫畫がいかに淒いかが判った。嫌日流(佯病説)よりは多少ましかなくらゐだけど、本質的には似たり寄ったり、五十歩百歩。韓國人は聲が大きい、感情的だなどといふイメージに自覺的な割には決めつけやら憶測による陰謀論やら、言ってゐることがマンガ嫌韓流に登場した「歴史歪曲軍国主義復活陰謀糾弾韓国大学生訪日代表団」竝。資料を用ゐてマンガ嫌韓流を覆さうといふのはせいぜい竹島/獨島の章くらゐのもので、それにしても牽強附會や一研究者の發言をさも學會の總意のやうに言ってゐる。

ほかにも顯らかにをかしな突込みどころ滿載。譬へば16ページ3コマめでは日本國憲法が机上大型辭書竝の大きさで書かれてゐる。日本國憲法は薄いので社會の教科書や資料輯の卷末に大抵載るくらゐなのですが。韓國でも搜せば飜譯があると思ふけど、讀んでないのですか。ほかにも致命的に摸寫が下手だったり漢字が下手だったりする。中でも一番致命的なのが下の寫眞。

暗くて見づらいかも知れないけれど、中央より少し下に注目。赤毛のアンは間違ってもホストまがひの高校生が主人公の青春群像ではない件。といふか作者はモンゴメリ女史で、日本とはほぼ無關係。