ファイル共有の覺書

極論すれば、Winnyを使はずとも、CGIプログラムがあれば匿名でのファイル共有は可能。けれども、それらが問題視された事は殆ど無い。

CGIプログラムといふか、外部に公開できるサーヴァさへあればファイル共有はできる。例へば以前に一度、非合法ではないが大きなファイルを友人に渡す際にパソコンにFTPサーヴァを立てて轉送させたことがある。最近は"CGIプログラム"を使ったものとして2chなどを中心に、いはゆるuploader*1を用ゐて、ファイル共有が行はれてゐる。畫像やテキストが主のものが多いが、uploaderによってはMP3が上げられることも少くない。しかしこれらがWinnyほどの問題になり得ないのは、Winnyほど存在が汎く知られてゐるわけでもなく、情報が漏洩するわけでもなく、何より同時に參加できる人間が限られてゐるからだと思ふ。一往、虹裏もこの括りか。

非合法なファイル交換の問題が一般に識られるやうになったのは最近のWinnyによる情報漏洩問題以後だけれど、P2Pが普及する前からUGの住人によってWAREZ*2としてファイル共有は行はれてゐた。當時はGeocities/Tripodなどの無料Webスペースがファイル共有の温床になってゐたらしい。また、個人對個人ではFTP交換會なども行はれてゐたやうだ。しかしなにぶん、これらはUGの世界であって、彼らの分別があったかはともかく、現在のやうに智識のない利用者はそもそも參加できず、ウィルスを貰って個人情報を撒き散らすやうな事態は起らなかったのだらう。

2001年にP2PNapsterGnutellaが現はれ、UG住人にとっても革命的だったと書かれてゐる。その後現在までに、WinMXやらWinny、Limewere、ShareなどのP2Pが登場して誰でも容易に違法ファイルを共有できるやうになり、大衆化していった。かつてUGでWAREZをやってゐた人はP2Pツールに移行するか、手を引いたと。音樂ファイルなどいとも簡單に手に入るものだからUGなど知る由もなかった人間までもが手を染め、いとも簡單にウィルスに引っ掛り社会問題にまでなったのだらう。

*1:「うpろだ」「ろだ」とも呼ばれる。

*2:既に日本では死語っぽいけど、「割れ」の形で生き殘ってゐる。