ボクのセカイをまもるヒトex

本を買って即日讀切るのはかなり久々かもしれない。谷川流著、織澤あきふみ插畫。610圓(税拔)。「ボクのセカイをまもるヒト」の短篇集。電撃マ王*1に連載。表紙は今のところの總キャラ……と思ったら津波はゐないのかな。裏表紙は香炉のヌイグルミではなくへっぽこな巽。

雜誌連載の短篇なので時系列としては1卷と2卷の間(のはず)。劇中で出てくるのがヘリコバクターなので正しいと思ふ。といふか、間が開いたので2卷最後の凌辱シーンしか憶えてゐないのですが。内容はひたすらメタ・フィクショナルな實驗小説。

一日に二度ほげらっ!?とかごぎがげぇっ!など數へるほどのせりふもなく綾羽に退場させられた自稱・親友の石丸文一郎がフィーチャーされてゐる。文一郎は始終氣絶させられお調子者くらゐの言及しかされてゐなかったと思ふのですが、こんな人だったのですね。

まあまあ面白かったけれど、譬へばハルヒの短篇やフルメタの短篇(日常篇)ほどのインパクトはない。谷川はハルヒのやうな(いろいろな意味での)正道と、ともすれば際物ですらある實驗小説が兩極端だと思った。「絶望系」がその方面の極端だったので、「ボクのセカイをまもるヒト」は全體的に中途半端な印象。

*1:「マ」は麻垂(まだれ・广)にマ。本來は畫數の多い「魔」の略字。まるマシリーズとは無關係らしい。むしろ、クロノ・トリガーを連想する者多數かと思はれる。