別れた女

自分が書いた文章つて、何年經つても結構覺えてゐるものですから。

さう云ふ人もゐるのか。私は一年經てば殆ど忘れてしまふ。

網走で會ったとある作家の先生は書き終へた本は別れた女と同じだと仰ってゐました。この表現は極端だとしても、昔書いた文章なんて自分ではほとんど憶えてゐない。といふか、絶對に赤面するので讀みたくない。